聖なる夜に
「ごめんルルーシュ遅くなって…!」
「本当にな。もう皆帰ったぞ。」
期末試験が終わり次の日が休日、しかもクリスマス目前!とくれば、
パーっとパーティーでもするか!
というのが、ノリのよい学生の定番で、楽しむことには全力を尽くす生徒会メンバーと
騒ぐ予定だったのだ。(結果が返って来るまで束の間の間くらい、様々なしがらみから解放されたいというものだ)
もちろん、スザクも参加を楽しみにしていたのだが、悲しいかな軍属学生。
上司から「試験中と前日はお休みをあげるから、終わったらランスロットに付き合ってねv」
と実に空気の読めているようで、読めていない。言葉を貰ってしまったのだ…。
しかし、それを言ったときの彼の頬をみる限り、当初はデヴァイサーが学生だろうが、
試験中だろうが、ランスロットのテストを繰広げる予定だったのだろぅ…特派の影(表?)の実力者の気遣いが、
見て取れる。(彼女は大人としての配慮ができる人だ)
実験の目途がたち、「帰って良いよ」と言われてから走って来たのだが、
残念ながらパーティは終わってしまったのだと、ルルーシュの言葉を理解し、うなだれる。
「ごめん…ルルーシュ…。」
皆と、ルルーシュと、クリスマスを楽しみたかったな。…と思っていると、
「まぁ良い…こっち来い。」
声をかけられ、ルルーシュに促されるまま席に尽くと、ほわほわと湯気の出る紅茶のカップと、
「何でシフォンケーキ…?」
添えられたクリームには苺が混ぜられているのか、ほんのりピンクに色付いている。
クリスマス定番のブッシュ・ド・ノエルやプラム・プディングやシュトーレンではない、
ちなみに不○家の砂糖細工のサンタクロースやクリスマスツリー、イチゴやチョコレートを飾りつけたものでもない。
「何種類か作ろうって話になってただろ?それで普通のケーキや他の定番は、
大体が生徒会の皆に食べられてしまったし、ショートケーキのお前の分は…」
俺が有難く頂いた。
と悪びれる事なく言う。
「ルルーシュが珍しいね…そんなに美味しかったの?」
「ああ凄く。」
赤い苺が〜と、何やら語り続け、満足げな顔を見れば、そんなに甘いものに執着の無いスザクとすれば、
こっちの笑顔の方がいいなぁ、とか思ってしまう。
「で、僕にはシフォンケーキ?」
「余っていたからな。」
早く食えと、言外にすすめられて、有難く口に運ぶ事にする。
頬張ればスポンジの感触が優しい。
「ルルーシュ凄く美味しいょ!」
「そうか。」
ふんわりと笑うルルーシュに目を奪われる…本当どうすればいいのやら。
「お前…甘いのあまり得意じゃないだろ?」
何かとても嬉しい言葉が聞こえた気がする。
「僕の為に作ってくれたんだ。」
「べ…別にそういう訳では…。」
と言いながら目が泳いでいる。
甘すぎず。緩すぎない硬すぎないクリームは、スザクの好みだしシフォンケーキという、
チョイスもスザクの身体を考えての事だろう。顔がどうしようもなく緩むのが抑えられない。
「る…「ぁあ!スザク!!クリームがもうないじゃないか、お変わりを持ってくる!」
と席を立ってしまう。帰ってきたルルーシュの腕には、
「ボールいっぱい?」
「作りすぎたんだ。」
少しばつが悪そうに言う。
「ルルーシュ…このクリームどうするの?」
「ん、…まぁ一日そこらで悪くなるとも思えないから、明日果物とはさんでフルーツサンドにでもして食べるさ。」
余っているのかぁ…。ほけほけとそんな事を考えていると、
「スザクお前…、子供みたいだぞ?」
クスリ。と笑いながら、ルルーシュがケーキを食べていたスザクの頬についたクリームを指で掬い取る。
「ぅゎ、恥ずかしい…。」
とスザクが言っていると、ルルーシュがそのまま白い指先にのったピンクのクリームを赤い唇に運ぶ。
正直それは犯罪です…。
「ルルーシュにも付いてるょー。」
取ってあげる
っと言いながら手を頬に添わせ、
唇の端に舌を這わす。
「「………、………。」」
「お前それ違うだろ。」
ルルーシュが若干不満げに、スザクを睨めば
「いつもより甘いょ、ルルーシュ。」
全く反省していない様子で笑顔を返す。
「お前は…。」
呆れて物も言えない、といった風のルルーシュにスザクが
「ねぇルルーシュもっと食べたいなぁ…。」
と告げる。
「ぁー、それなら冷蔵庫に…。」
言葉どおりに受けとって、返事を返すルルーシュの言葉を遮り。
頬に手を当て視線を合わせ、
「そうぢゃなくて…。」
君を…
「この馬鹿!!」
お粗末さまでした。
Xmasが終わってしまうーと思いながら書きました…。
やっつけ仕事っぽくで申し訳ないです。2007/12/25
句読点が無くて、読み難い。とご指摘を受けたので変更してみました。
ついでにちょいちょい言葉尻を変えています。(あまり分からないよ)2008/1/
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